やってみたいに寄り添うために

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投稿日 | 2022年9月03日(土)

園生活に慣れてそのうち安心できる先生ができ、安心できる場所になると子どもたちは保育者から離れておもしろいことを見つけて遊び出します。

私達保育者は子ども達一人ひとりに寄り添い、注意深く観察し、今何に興味を持っているのかどんな遊びなら夢中になれるのか考えることを大切にしています。

そして子ども達が遊んでいる姿を見ながら、こうやったらもっと遊びが楽しくなりさらに展開しそうだと考え環境を整えることが必要になります。

保育者が環境を整え、その環境を見て子ども達が主体的に楽しくしっかり遊べているのであればいいのですが、ときには全然違う遊びになってしまうこともあります。

子どもが自由に遊ぶのはいいことではありますが、もっとこうしたら楽しく遊べるよと保育者がモデルとなり、さりげなく楽しく遊ぶ姿を見せることも大切です。

そして遊びが盛り上がってきたらそっとその場から抜けてその後子ども自身で遊びが楽しく続くのか、さらに発展しそうなのか様子を見届けることも大切です。

もし遊びが盛り上がらないのであれば、課題が高すぎるのか、低すぎるのかさらに遊びが続くには何が必要か、その環境を考えなおすことも大切なことです。

例えばシャボン玉遊びをしながら、手についた泡に夢中になっている子どもの姿をみて、泡でもっと遊べないかと保育者が考えます。

そして石鹸や食器用洗剤をボウルの中に入れて泡立てて遊ぶ「あわあわ遊びの環境」が園庭につくります。

まず最初に保育者がボウルに少しの水と洗剤をいれて泡立て器を使って混ぜます。この姿を見ると私もやりたい、楽しそうとすぐの子ども達が寄ってきます。

ボウルの中のさらさらした液体は、泡立て器で混ぜると次第に滑らかになっていき、そして生クリームのようなフワフワな状態になります。

息を吹きかけたり、手で触ったり、泡の変化する不思議な感触に子ども達は夢中になっていきます。

そしてその泡遊びがさらに発展するように、保育者が草花をすりこぎですってその汁を泡に入れると泡に色がついたり、また砂で作ったケーキの上にのせて、デコレーションケーキにしたり、さりげなく遊びの提案をしてモデルとなります。

そうなるとあわあわ遊びはどんどん発展していきます。

砂場のコップに入れて、ソフトクリームを作ったり、たらいに入れて泡風呂で遊んだり、遊びのバリエーションも増えて、一年中遊べる遊びとなっています。

さらにそのあわあわ遊びを子どもの生活に取り入れられないかと考え、子ども達が生クリームを泡たてて、スポンジケーキの上にのせたり、卵の白身を泡立ててメレンゲクッキーを作ったりとおやつ作りまで発展しています。

あわあわ遊びは一つの例ですが、保育者が作る環境の遊びの中で大切にしていきたいことはまず、子ども達が「おもしろい」と興味を持って夢中になり続けられるものであることです。

次にその遊びを体験を重ねて覚えていくことです。

ボウルを逆さまにしても落ちない泡を作る子どももたくさんいます。

毎日水と洗剤の量を調節して泡立て器をもって、腕をぐるぐる回し理想の泡に仕立てていく知識・技能が次第に備わってきます。

そして一緒に遊ぶ友達といい泡ができたと喜びあって泡を交換したり、またうまく泡立てることができなかった友達に泡をわけてあげたり、「たのしいね、おのしろいね、明日も一緒にしようね」と一つの遊びから生まれる関係性を大切に豊かな人間関係を作ってほしいと思います。