表現するって子どもの存在そのもの

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投稿日 | 2021年10月01日(金)

 子どもにとって遊びの全てが表現することに繋がっています。描いたり作ったり、歌ったり踊ったり、役になりきったりすることも全て表現です。

 制作遊びが好きな子ども達がいつでも好きな時に作れるように、子ども達の手が届く場所に様々な素材や廃材や道具を準備しています。「〇〇が作りたい」と、頭にイメージした物を作るために必要な材料を自分で選び、イメージした物をカタチにしていきます。細部にまでこだわり、作っているときの子どもの表情は真剣です。納得のいく作品が出来上がると、誰かにそれを見せたくなります。「〇〇作ったんだよ!」と得意気に見せながら、「ここが〇〇で、こっちは△△で~」と作った作品の説明までしっかりとしてくれます。

子ども達が大好きな遊びの1つにごっこ遊びがあります。それぞれの役が決まると、その役になりきった口調や言葉遣いになっていきます。自分の身近にいるお父さんやお母さん、お兄ちゃんやお姉ちゃん、ペットの犬や猫、買い物で行ったお店の店員さんや、テレビで見たアイドルなど、なりきる役はそれぞれですが、見たり聞いたりしたことをイメージして真似しながら表現することを楽しんでいます。

 遊び以外でも表現はあります。感じたことや思ったこと、今の自分の気持ちを表情や態度、言葉で周りの友達や保育者に伝えようとしています。嬉しかったり楽しかったりすると笑顔が出てきたり、自然と歌を口ずさんでいたりする子どももいます。また反対に、悲しかったり怒ったりが涙や表情に現れます。それらを私たちは表現していると捉えます。

子ども達は、自分の表現したものを、評価されたり否定されたりすることなく周りにいる人たちに受け入れてもらうことで達成感や満足感が生まれます。さらに表現した自分自身も受け入れてもらえたと感じることで、自己肯定感も育まれていきます。また、子どもの気持ち1つ1つに共感したり寄り添ったりして、その気持ちを一緒に共有することで子どもと保育者の間には信頼関係ができていきます。

私たちは、子ども達が安心して自分を表現して、楽しみながら「もっと表現したい」と思えるような環境作りを大切にしています。