「やりたいことがそこここにある庭」

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投稿日 | 2022年9月03日(土)

室内で花や動物を折り紙で折ったり、写真や絵本で花や動物を見たりする遊びは、子どもの気持ちをゆったりと落ち着かせ穏やかにしてくれます。

一方で庭にあるシロツメクサやたんぽぽの花をひたすら摘んでままごとにつかったり、園庭にいるバッタやテントウムシ、カエルを追いかけたりして走りまわる姿は、開放感を味わいながら体全身で自然を満喫しているように感じます。

室内では体験できない感覚が庭にはあります。庭に広がる毎日違う景色、気温、風、匂い、土の色。季節で変わる鳥の声、虫、花々。見て、触って、聞いて、匂いを嗅いで、時には口に入れたりして、いろいろな感覚を通して、子ども自身が感じ、気づいて、考えます。五感をいっぱい働かせてやりたい遊びを始めます。そして何かで遊びたい気持ち、好奇心が生まれます。どうしたら面白くなるかと想像力、思考力を働かせて、友だちと一緒に没頭して楽しさを表現します。感覚の先にたくさんの発見、学びがあります。

遊びを通して学ぶ子ども達。子ども達がやりたい遊びが十分にできるように、「時間・空間・仲間」この3つは欠かせません。

「時間」一日の中で主体的に外で遊ぶ「時間」を保障する。

環境や天候にもよりますが、登園後から降園時まで、外遊びの時間はかなり大切です。例えば子ども達は庭に出て「ストライダーで遊ぼう」とストライダーに乗り、築山から滑りおりたり、友だちとツーリングしたりします。ストライダーに乗りながら、砂場で大きな落と穴を掘っている友だちを見つけて一緒に遊び始めます。子ども達は興味をもった遊びに熱中して取り組みますが、他の遊びにも興味をもち、遊びを次々と変えていくことも多いです。そのためにも、ある程度の時間を確保するとその中で様々な遊びに触れ、結果として多様な体の動きを経験して獲得しています。

「空間」体と心が動く空間作り。

自然と触れ合うことができる環境、砂、土、水、雑草、樹木、菜園、花、虫、飼育動物など。
体を使って楽しむことができる環境、築山、遊具、平らなスペースなど。
自由に発想し工夫ができる環境、雨どい、塩ビ管、ホースなど。
休憩や穏やかな活動ができる環境、家、ピロティ、軒先。
このような物理的環境が基本にあります。

「仲間」一緒におもしろがる仲間

庭に出るとクラス以外の友達や年齢の違う子ども、クラス担当以外の職員と関わる機会も多くあります。色々な友達や大人と出会い、おもしろい遊びをワクワクしながら楽しみます。

例えば友だちと一緒に砂場で大きな山を作ります。大きな山と言っても一人、一人がイメージした大きさや高さは微妙に違うかもしれません。会話をしながら一緒に山を高くしていき、相手とのイメージを近づけてみんなで納得した山を作っていきます。山が出来上がると、トンネルを掘ったり、川を作ったりと山作りはどんどん発展していきます。友だちと一緒に協力しあい、ときには自分の気持ちに折り合いをつけて我慢することもあるかもしれませんが子ども同士で刺激し合い、うまくできるために思考錯誤していく姿はとっても素敵です。友だちと一緒に会話をして、おもしろがりながら、どんどん世界が広がっていきます。一緒におもしろがり、楽しんでくれる友だちや先生がいると遊びは数倍楽しくなります。