Yearly Archives: 2021
一緒に私たちとおもしろがりましょう
伝えたいことはシンプルです。
一緒に保育を、子どもの世界を、おもしろがりましょう。
そして、あなた自身ががおもしろがりだすサイクルをつくってほしいと思っています。
それが私たちとならできます。
保育の仕事を
子どもの世界を
あなた自身を
おもしろがれていますか?
「おもしろいを おもしろがる」というフレーズで保育を捉え直そうとしたのが2年前のことでした。
山積する課題に目を向けることも大事ですが、目の前の子ども達の溢れる笑顔とおもしろさにもっと目を向けていこうと改めて思ったのです。
いつでも前向きになれるキーワードです。
いつも自分に返ってくる問いでもあります。
オープニングスタッフを募集する「風の丘めぐみ保育園」では、慣例に囚われない保育の創造を共に担ってもらう仲間を募集しています。
やったことがないと不安になるより、やったことがないけどなんだかおもしろそう。
そんな心もちをみんなで創り出していきたいと思います。
同じ方向を目指す仲間が必要です。
誰しもがおもしろがれるのです。
閉じてしまった蓋を開けられるのは、他でもないあなた自身です。
おもしろいが溢れる園を一緒に創りましょう。
おもしろがれる仲間と共に。
学校法人めぐみ学園
理事長 輿水 基
表現するって子どもの存在そのもの
子どもにとって遊びの全てが表現することに繋がっています。描いたり作ったり、歌ったり踊ったり、役になりきったりすることも全て表現です。
制作遊びが好きな子ども達がいつでも好きな時に作れるように、子ども達の手が届く場所に様々な素材や廃材や道具を準備しています。「〇〇が作りたい」と、頭にイメージした物を作るために必要な材料を自分で選び、イメージした物をカタチにしていきます。細部にまでこだわり、作っているときの子どもの表情は真剣です。納得のいく作品が出来上がると、誰かにそれを見せたくなります。「〇〇作ったんだよ!」と得意気に見せながら、「ここが〇〇で、こっちは△△で~」と作った作品の説明までしっかりとしてくれます。
子ども達が大好きな遊びの1つにごっこ遊びがあります。それぞれの役が決まると、その役になりきった口調や言葉遣いになっていきます。自分の身近にいるお父さんやお母さん、お兄ちゃんやお姉ちゃん、ペットの犬や猫、買い物で行ったお店の店員さんや、テレビで見たアイドルなど、なりきる役はそれぞれですが、見たり聞いたりしたことをイメージして真似しながら表現することを楽しんでいます。
遊び以外でも表現はあります。感じたことや思ったこと、今の自分の気持ちを表情や態度、言葉で周りの友達や保育者に伝えようとしています。嬉しかったり楽しかったりすると笑顔が出てきたり、自然と歌を口ずさんでいたりする子どももいます。また反対に、悲しかったり怒ったりが涙や表情に現れます。それらを私たちは表現していると捉えます。
子ども達は、自分の表現したものを、評価されたり否定されたりすることなく周りにいる人たちに受け入れてもらうことで達成感や満足感が生まれます。さらに表現した自分自身も受け入れてもらえたと感じることで、自己肯定感も育まれていきます。また、子どもの気持ち1つ1つに共感したり寄り添ったりして、その気持ちを一緒に共有することで子どもと保育者の間には信頼関係ができていきます。
私たちは、子ども達が安心して自分を表現して、楽しみながら「もっと表現したい」と思えるような環境作りを大切にしています。
縦割り保育(1)
縦割り保育でぶつかる壁と育つもの
めぐみの縦割り保育の歴史は長く50年以上続いています。3・4・5才児が1クラスで一緒に過ごす縦割り保育は担任一人では大変な場面も出てきます。そんなときは年長(青帽子)が小さな先生として自分たちよりも年下の子を手伝ってくれます。自分たちの妹・弟のように気に掛けてくれたり、やさしく声をかけたり、園やみんなのルールを教えてくれるのは、実は保育者が伝えるよりも子どもたち同士のほうがスムーズだったりします。入園してからずっと隣にいてくれるお兄ちゃん、お姉ちゃんはあこがれの存在で、あんな風になりたいと年長(青帽子)になることを心待ちにしています。
しかし、自分たちが実際に年長(青帽子)になり、年少(赤帽子)の手伝いをお願いされると難しさも感じるようです。年長(青帽子)になって嬉しくて張り切りすぎてしまったり、お節介なくらい手伝いたい気持ちが出てきたりします。手を繋いで部屋を移動したり、着替えを手伝ってあげたりと色々な場面で張り切ってくれる年長(青帽子)の姿と、まだ園生活に慣れていない年少(赤帽子)は、手を握るのさえ恥ずかしかったり、嫌だったり、自分でやりたい気持ち、とがぶつかります。これは年長(青帽子)になって張り切るとまず始めにぶつかる「相手の思い・気持ち」という壁です。でもそこで相手の気持ちの大事さに気づきます。自分の思い通りにならない歯がゆさなど、年長(青帽子)なりに相手の思いを感じてくれています。
保育者はそんな優しさや相手を思う気持ちが育っていることも一緒に喜びながら、相手の気持ちに気付いていけるように手伝ってくれたことへの感謝を伝え、今は自分でやってみたいのかもと年少(赤帽子)の子どもの心を代弁します。年少(赤帽子)が園生活に慣れてくると共に、「これ使いたいの?」「ぼくがやってあげようか?」と相手の気持ちを聞いて行動してくれる姿が見られるようになります。
(事例)1歳児の押し車を押す年中(黄帽子)の育ち
同じ園庭で0歳~6歳までの子どもたちが一緒に過ごしています。一緒に過ごすことで、自分の妹、弟でない子の手を引いていたり、近くにそっといてくれたり、同じところに視線を向けて寄り添ってくれる姿が見られます。何してるんだろう?何がしたいのかな?と考えて相手の表情を見ながら「これに乗りたいの?」と声を掛けてみると、頷いてくれた。押し車の持ち手を支えながら1歳児が自分で乗ろうとする様子をそっと見守ってくれている姿があります。その子が押し車に乗り込めると、様子や表情を見ながらそっと後ろから押してくれていました。思い切り押したら怖くないかな?急に立ち上がって落ちないかな?そんなことを思っていたのかもしれません。押しているときの表情は真剣で嬉しいと言うよりも緊張している表情をしていました。これまでは小さい子たちを気にする姿はみられず、自分のことでいっぱいだったのが、少しずつ周りの子たちに目が向くようになっています。保護者にそんな姿があったとお知らせしました。「こんなこともできるんですね。家では一人っ子でそんな様子は見ることができないので嬉しいです。」と成長を保護者と共有し、優しさが育っていること共に喜ぶことができました。縦割り保育だからこそ見られる優しさと成長だと思います。